怒ることは、駄目なことですか? 

感情は、主体的に扱うことができます。

この話から、感情を扱うヒントを汲み取っていただければ幸いです。

私は怒りの気持ちに、寛容な方だと思います。それでも、怒りに任せて行動するのは避けるのが賢明でできることです。

以前の私は、人に怒る時は、その人が悪いことをしたから、怒って当然と考えました。

爆発するのは、どうにもならない問題だと思っていました。

人に怒ると、人間関係が悪くなることがあります。怒っては駄目だと、怒りの気持ちを禁じる人もいます。

 

最近、激怒した体験

 

私が感情カウンセラーになって、5年余りになります。怒りを感じても態度には出さずに、変わらずいることが増えました。

ときには私の言葉で、人を怒らせてしまうことはあります。そんな時も私自身は動揺することはあまりなく、気持ちは安定していることが多いと振り返っていました。

 

普段そんな私が、今年仕事関係の人に、数年ぶりに罵声に近い声で怒りました。そういうことが最近はなかったので、人に強く怒ったことに、自分でも驚きました。

後から、怒った理由を思うと「その人は明らかに人に迷惑を掛けていた、本人は気づいていない、自分さえ良ければいいという態度への怒りでした」。

それまでの私は、なにか問題があっても、冷静な言い方をしていたことが多かった。

その時は、その人に我慢できずに、急な怒りを抑えられない感じになっていました。

人に怒り出すのと、胸のうちだけで感じる違いは、怒りがこみ上げた時に、怒りの波を受け流せるか、怒りに飲みこまれるかの違いです。堪忍袋という言い方もあります。

私は怒りの対処を学んで、心得ていたつもりでした。その時は、激しい怒りに、感情の大波に対応ができなかったのです。

 

感情は学ぶことができる

 

感情カウンセラーは、感情について学び、怒りを感じても飲みこまれない備えがあります。日常から、気持ちは安定することが増えていました。

怒りだす時、相手が悪いという気持ちが強くでます。それでも、同じことが起きても、怒る人と、怒らない人はいます。怒り出すか、怒らないかの違いは、怒る人の心にあります。

私には、過去の怒りの感情が溜まっていたのでしょう。相手の人は、私の溜まった感情の引き金を引いたため、爆発したのだという考え方があります。

私が怒りだしたのは、私にも なんらかの問題があるということです。

私がクリアな状態だとしたら、相手を思って、諭すような言い方ができていたかもしれません。

私には、癒やされない感情が溜まっていた、それが急な強い怒りになったのでしょう。

自分にも怒りの原因があると思えるなら、怒りを、すべて相手のせいと思わないものです。ふいな怒りを切っ掛けに、自分の心に関心を持つ必要があると気が付きました。

 

 

感情を探りながら内省する

 

怒りを感じていると、違う感情も出てきます。怒りは本当の気持ちを覆い隠すと言われています。

私が爆発した理由は、いくつかあると感じました。

一つ目は、私の信じる正しさに「人には迷惑をかけてはいけない」というものがあります。譲れない正しさが大事にされていないと感じて、怒りが湧くのだと思います。

怒りを感じた後から、悲しい気持ちや、許せない気持ちが出てきました。

正しさを緩めて「自分を尊重すること、相手を思いやること、バランスが大事」に変えた方が良いかもしれません。

「自分のことしか考えられない」を思い感じるうちに、両親のことを思い出しました。

私には「自己中心」「自分勝手」な人に対するつらい思いがありました。私の育った家庭のテーマといえます。

父の若い頃は、独善的な性格といえるところがありました。人の話や意見を聞くのが苦手。子供の意見も聞かない。仕事や家族に関わることは、父が絶対的な決定権がありました。

話を聞いてくれない父に私は、つらい思いをしたことがありました。父に対して長い間、分かってもらえないという、諦めの気持ちを持っていたことを思い出しました。

また母と私は、おおむね仲が良い方でしたが、母に対して愛情がある一方で、反発する思いもありました。

母の母は早くに亡くなって、お祖母さんに育てられ、何でも与えられて、わがままに育ったと聞いています。人になにかしてもらっても、感謝できない振る舞いが、好きになれないと思っていました。

両親に対して、反発した事を思い出して「自己中心」「自分勝手」に、まだ許しきれていない思いが残っていた様です。

実は、私自身も両親の性格は強く受け継いでいると思います。

自分にも自己中心的な部分があることを、認められずにいました。自分を許せない気持ちもまだあると気が付きました。

両親に対する思い、自分に対する思い、どちらも許し続けようと思います。

 

怒りの気持ちを感じ続けると連鎖する様に、いろいろな本音の気持ちが出てきます。

仕事関係の人の、自分勝手な態度に怒りましたが、それが切っ掛けで、自分の深い感情にアクセスできました。そのことで感情を解消するポイントが分かり、感じるチャンスに恵まれたという、プラスの見方に変えることができました。

 

仕事の場の怒りを振り返る

 

感情はどんなものでも、否定するのではなく、認めて感じてあげることが大切です。

なにを感じても悪いということはなく、感情に良いも悪いもありません。対処できることが大切。

いつも怒りに飲まれて爆発していると、デメリットは大きくなります。

怒りに飲まれたまま行動すると、人間関係を悪くするかもしれません。周りの人を不快にする可能性は高いからです。

怒りに任せて、思いを伝えても、気持ちが伝わりにくいことが多い。狭い見方になりやすいからです。怒りを向ける人により、仕事の立場に影響することもあるでしょう。

 

怒りを感じても客観的で冷静な対応ができたり、後からフォローすることができれば、メリットに変えられます。

エネルギッシュな方向に向けることはできる。普段、人に言えないことを、自分を表現できる機会に変えられます。

大きな怒りを感じた時に、自分に要因があると思うから、自分の感情に主体的に対処しようと思えます。自分を癒やすチャンスになると思います。

 

感情を学ぶことは、安定感に繋がる

 

内省したことで、私が怒った振り返りはできました。仕事の場で、怒ったことを、私は後悔していません。

ですが、私の気持ちを伝えるという意味では、伝わりにくい状態だったと振り返りました。

怒りに飲まれないように、その場で深呼吸して、私の思いを伝えた方がベストでした。

癒やされていない感情を、認識したことで、怒りを感じた人に対しての関係は引きずらず、また相対しても冷静になれています。自分を癒す、振り返りができました。

感情の解消に、前進できたと感じています。

人に対して、どうしたら真意や気持ちを伝えることができるのか、意識する時間が増えました。伝えるための心構えが変わりました。

 

まとめ

 

◯急な怒りに飲まれない方がいい。そのために、その場で怒らず、一人になり深呼吸してクールダウンすると良い。どうなったらいいか先を思えば、冷静な判断に近づきやすい。

 

◯ネガテイブな気持ちを感じてもいい、なにを感じても悪くありません。

感情の解消に向かう、自分の本音を探る切っ掛けにできる。

 

◯人が切掛けで、怒りを感じたとしても、相手がすべて悪いのではなく

怒りの理由は、自分のなかにもあると認識できると、見方を主体的に変えることができる。

 

 

 

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