「怒り」の根本原因である「怖れ」を感じたら、いい感じに仕事ができるようになった。 

「あの人いつも怒っているけど、実は陰ではすごく怯えているよね・・・」今回のコラムではこれにまつわる話を私の体験ベースで書いていこうと思います。私も過去いろいろと経験しましたが、感情Aを隠すために感情Bが発生するという現象です。この時感情Bの感情のクリアリングを行いましたが、感情Aの感情のクリアリングは行っていませんでした。そのため感情Aが発生すると感情Bが発生し、あたかも感情Bが解決していないような錯覚に陥りました。そこで今回はこの感情Bという感情の根本原因となる感情Aを扱ったらどうなったかについて書いてみました。

結論から言うと、根本原因となる感情Aの感情のクリアリングを行うことでそれに付随する感情Bが発生しにくくなります。結果、前より怖れが少なくなり、目の前の仕事に集中できたり、仕事へのモチベーションが自然と湧きました。要はいい感じに仕事ができるようになりました。

というわけでこれの詳細は以下に続くわけです・・・。

「誰かに依頼されて行う仕事」をする際に「怒り」を感じた。

私の会社での仕事をざっくり2つに分けると「誰かから依頼されて行う仕事」と「自分で問題点を見つけて主体的に改善していく仕事」の2つに分かれます。私はこの「自分で問題点を見つけて主体的に改善していく仕事」の方が好きです。なぜなら自分で考え、必要なものを作成し、トライし、結果を元にあれこれ考えまたトライしうまくいく。そしてそれらが蓄積されていきます。結果不具合が起きない状態となりかつ、自分自身も経験と実力がつき成長できるからです。

片や「誰かから依頼されて行う仕事」はイマイチ乗り気ではありません。その仕事をやる際に、自分がやりたい仕事をやる時間を奪われることに対する「怒り」、そんなこと自分でできるのだから自分でやれよと思う「怒り」、指示だけ出しているやつはいいですよねと思う「怒り」などの様々な「怒り」が出てくるのです。そこでこれはいけないと思い、この「怒り」に対しての感情のクリアリングを2、3ヶ月行うことにしたのです。

「怒り」の感情のクリアリングを続けたのですが・・・

というわけで、「怒り」の感情のクリアリングを2、3月続けてみました。どんな感じで取り組んだかと言いますと、「怒り」の感情のクリアリングを行う→似たような状況に遭遇しても「怒り」が出なくなったことを確認する→また似たような状況で「怒り」が出る→また「怒り」の感情のクリアリングを行う→また似たような状況に遭遇しても「怒り」が出なくなったことを確認する、というプロセスを3回くらい繰り返しました。しかしこのプロセスが4回目くらいに入った時に「ちょっと待てよ!!」と私は思いました。確かに効果は出ているのですが、いたちごっこだなと・・・。というわけでこれは何かやり方を変えなくてはと思い、別の視点でこの「怒り」の原因を探ってみることにしました。

「40歳を超えたら転職がものすごく難しくなる」という事に対して出てくる「怖れ」が根本原因だった。

そもそも私はどんな考えのもと仕事をやっているか?というと、仕事を通じてしっかりとスキルを身につけ、技術的にも精神的にも成長することを目的に仕事をしている感じです。逆にいうと成長に繋がらないことはやりたくない感じです。

過去を振り返ると大学院生時代の修士論文の研究の段階からその節があった気がします。当時所属していた研究室は結構マニアックなことをやっていました。その中には就職したあと役に立ちそうな研究とこれはどう考えても役に立たないであろうという2パターンの研究がありました。当時の私は将来の役に立たない研究なんて絶対にやりたくない!!と思いました。そこで私は装置を1から造りそれを活用する研究を選んだのです。これなら将来役に立ちそうだなと思い・・・。

また就職してからもこの傾向は続きました。当時私の父は会社を経営していました。私はその父の長男であるため、将来私が父の会社を継ぐような雰囲気がどことなくありました。そこで当時勤めていた会社でも父の会社を継ぐ際に役に立つであろう仕事はしっかりやり、それ以外はそこそこという感じでこなしていました。

そして時は流れ後藤友馬 35歳、その当時は転職活動をやっていました。当時苦労はしましたが、運よく私のスキルとマッチする現在の会社と巡り合い、そこへ転職することができました。その時私のことを担当して頂いた転職エージェントの方から「転職市場では35歳が1つのボーダーラインで、この年齢を超えると転職が難しくなります。さらに40歳を超えると転職がもっと難しくなります!!」と言われました。この時は「へぇ〜、そうなんだ」とある意味本気で捉えつつ、ある意味流していたような気がしました。

で、現在後藤友馬 37歳、あと少しで40歳になるわけです。年齢が40歳に近づくにつれてこの「40歳を超えると転職がもっと難しくなります!!」という言葉をよりリアルに感じられるようになったと推測します。これをリアルに感じられるようになったことで「ちゃんと成長しないとヤバイぞ、おれ!!」という「怖れ」が発生しやすくなり、「もっと成長しなきゃ、もっと成長しなきゃ!!」という強迫観念のもと仕事をしていたと推測します。

この「怖れ」が発生している状態で「誰かから依頼されて行う仕事」が発生した際に「おれが成長するための時間を奪うな!!」という「怒り」が発生したのだと思われます。つまりは「怒り」の発生の根本原因はこの「怖れ」の感情だったというわけです。

「怖れ」の感情のクリアリングを行なったら、いい感じに仕事ができるようになった。

というわけで、毎度お馴染み「感情のクリアリング」をやってみました。また同時並行で実際に仕事をしている最中に発生した「怖れ」や「怒り」の感情をリアルタイムで感じてみました。

これを何回かやった後のことです。急な仕事の依頼でバタバタしたのですが、なぜか今まで感じた「怖れ」や「怒り」が激減したのです。なんというか今までいたビクビクした自分がいなくなったような感じです。

また別の面では、うちのチームは週1回チームミーティングをやっています。この時各自今週の成果等をシェアします。以前はこのミーティング内での自分のシェアは無駄かなと思っていてイマイチ乗り気ではありませんでした。しかしこの「怖れ」の感情が減ってからなぜだかこのミーティングで今週の成果等のシェアをとても気軽にできるようになった気がします。そして仕事において「今後こんなことやってみたい」と思うことを、前よりも気軽に実行できるようになりました。

ここで「怖れ」の中に含まれる要素をさらに細かくみると、「40歳を超えたら転職がものすごく難しくなる」という将来に対する怖れの他に、「おれそんな大したことしていないし・・・」や「こんなことおれ以外の誰にでもできるだろう・・・」や「これおれの自己満足じゃね・・・?」などの自己否定的要素も含まれていたのではと思われます。そのため「怖れ」の感情のクリアリングを行うことで、この自己否定的要素も激減し、物事に対して気軽に取り組みやすくなったのでは?と推測します。

この「怖れ」が激減したことによる良い流れをまとめると、急な仕事の依頼でバタバタする→バタバタする中自分なりに業務効率が上がる方法を模索しやってみる→その後のチームミーティングで途中経過やうまくいった結果をシェアをする→チームのみんなに喜ばれかつ、この結果・ノウハウがチーム内で蓄積される→これからやってみたいことについて自信を持って取り組めるようになった、のようにプラスの循環が生まれるようになりました。要は仕事がいい感じにできるようになったということです。

怖れてもいいじゃないか!!

みなさん、そもそも怖れてはいけないと思っていませんか?男性の場合は幼い時に周囲から「男なんだからそんなつまらないこと気にするな!!」とか、女性の場合は「女は度胸!!」みたいに「怖れ」を無視することが推奨されたり、「怖れ」を感じることはよくないとされる環境で育ったりしてはいないでしょうか?

感情的側面からいうと「怖れ」を感じることはとても良いことです。「怖れ」を感じることで、問題がまだ小さい段階で対処することができます。しかも省エネで。結果、その後の物事が進んでも問題が起きない、もしくは事が順調に進んだりします。逆に「怖れ」を無視すると、小さな問題を無視することに繋がります。結果この小さな問題が蓄積してしまい、後々とても面倒くさい状況となります。で、悪いことにそれを解決するための労力は結構かかるのだけれども、労力の割には物事が順調にいかないということが起きたりします。私も感情カウンセラーになる前は「怖れ」を無視して、とにかくノリと勢いで物事をこなしていました。そのため、小さな問題が積み重なり、後でものすごく苦労したり、それが原因でものすごく怒りまくったりしていました。このような状況にならないためにも、「怖れ」を感じたり、また極端な表現ではありますが、怖くてガタガタ震えることはとても重要という事になります。

というわけで、2020年もあと1ヶ月くらいで終わってしまいます。人によっては「あっ〜!!もう2020年が終わってしまう!!どうしよう・・・」と嘆き悲しんでいる人もいるのではと思います。嘆き悲しんでもいいではないですか!!

2020年のラスト、しっかり嘆き悲しみスッキリすることで、来たる2021年をスッキリした状態で迎えてはいかがでしょうか?

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