先延ばし癖の対処法 

先延ばし癖の原因は、シンプルな場合、複合的な場合があります。
私は後者です。複合的に原因があると、自分が先延ばししていることに、中々気がつくことができません。

この前、高校 3 年の同級生から SNS で連絡がありました。相手の方は懐かしんで、写真など当時を思い出すきっかけを色々くれました。かなり昔とはいえ、私の記憶はすっかり飛んでいて、簡単には思い出せないことに気が付きました。
当時を思い出していくと、悲しみや辛さが出てきました。そこに先延ばしで苦しんでいた、多感だった自分がいました。

高校 3 年は受験生です。大学を受けるために受験校を決めて、勉強を本格化していました。
やること、やるべきことは受験のための勉強。私が思っていた 1/3 位の時間しか、集中が続きません。
自分で決めて勉強している、やるべきことができない、次第に自分嫌いになっていました。思うようにできない、続かないことに悩み、気持ちを誤魔化しながら、モヤモヤで一杯になりました。辛さを感じきれずにいたことが、その当時の記憶が飛んだ理由だと思います。
先延ばしが解決できない、深く悩み、若い私には人に相談したり、カウンセリングに頼る、
そんな発想はありませんでした。

 

先延ばしする時、身体と心がバラバラ

私はやることに対して、自分のやる気を疑っていませんでした。自分を客観的に見ることはできず、先延ばしを自覚できずにいたのです。
実際は勉強を始めるのに、いつも時間が掛かりました。いざ始めても、長続きしないのです。時には、寝不足でもないのに眠くなりました。
勉強を始めると、他のことが気になりはじめて、本を読む様になりました。本を読むと、気が楽になったからです。
勉強している気になる、自分に、周りにも勉強している様に見えて、今思うと、感じることが辛く、葛藤を避けるためだったと思います。それでも様々な方法で先延ばししていました。

やりたいことに、身体や心がブレーキを掛けていた、それには逆らえず、どうしようもない気持ちになりました。
理由が分からない、自分は困った体質、性格としか思えなかったのです。進まない現実を見て、自分に「やる気のない駄目なやつ」と、心の中でなじっていたのです。
時には親が「勉強しなさい」と言う、それには反発して「やるものか!」と思う、巧妙に進まない様にしていました。

先延ばしに気付く、自覚できたら前進

やることを、やるべきことと信じていました、当時は「やりたくない」思いを自覚することができませんでした。先延ばしするのは、どこかに止める思いが隠れています。気が付かないのが、止めるのに都合がいいからでしょう。
自分で気がついていない時は、意志だけでは、正反対の思いには勝てなかったと振り返ります。
先延ばしを辞めたい時、初めの一歩は、私には「やりたくない、進みたくない思い」があることを認めてあげることだと気が付きました。

気が付いたのは、心のことを学んでからです。思いの中には、とても子供っぽいと思う「面倒くさい」や「怖い」といった気持ちもあります。学ぶ以前は、恥ずかしさから、思い浮かんだとしても、無かったことにしていたと思います。

なにを感じても悪くない、どんな思いも感じていいと腑に落ちてから、子供っぽい感情も、素直に感じやすくなりました。「やりたくない」思いを認めた後には、矛盾した思いを持っている自分を否定しない様になりました。

私の心の中は、アクセルとブレーキを同時に踏んでいた、それで動きにくかったと、今は理解できます。過去の感情を開けたことで、今ある「先延ばし」に思いが拡がりました。

 

先延ばししても悪くない

○私は、面倒くさがりなところがあります。やらずに放置することがあります。片付けや掃除は苦手で、いつの間にか溜まってしまうことがあります。
克服のために、日々のやることリスト(TODO リスト)を書く様にしました。今日のやることに限定することで、小さなタスクになりやすい、それが出来やすさに繋がります。時には、やれたらいい事も書くので完全には、できないことはあります。ただリストが目の前にあると、順次始めることを意識できます。

○完璧にやりたい傾向があります。それが、先延ばしの要因になりました。手を付ける前に、完璧にはできない感じになるのが手を止める理由だと思います。片付けや掃除を思う時、完璧はないと自覚できました。
勉強、仕事も、やり方を考えるのは大事だと思います。それでも少しずつ、やるしかないことは多いでしょう。完璧は幻想と思う機会を増やしています。「目の前の出来ることから」を心掛けています。

○止める気持ちを認めたあとで、やりたくない気持ちを書き出す様にしました。「面倒くさい」という様な心の声も素直に言葉にします。やることのメリット、デメリットを書き出す、やらないことのメリット、デメリットを書き出すことを教わってからは実践しています。そして、もう一度、「やるか?やらないか?」を決める様にしています。客観視を意識する、どんな感情も認めてあげる。

自分で、やると決めたことに、やりたくない気持ちがあると認めるのは難しいことでした。私は、すぐに駄目だしする方です。できない駄目な自分と罰していました。
「だから駄目なんだ」と口から出ていた。自分を否定して辛い気持ちになり、悪循環になっていました。
自分の心を内省する時、子供を見る様に見守ることが大切だと思います。私に「やりたくない」思いがあっても、恥ずかしいことではない。そう腑に落とすことができた時、自分を責めることが減って来たのです。
やりたい自分と、やりたくない自分、どちらも自分。成長することもできる、バランスを取ることはできる。そう思えたのは、なんでも感じることを受け入れたからでしょう。

 

心のバランスが取れて安心感がわいた

自分に興味を持つ様に、「私には、やりたくない気持ちはあるだろうか?」「もし、やらないとしたら、失うものは何だろう?」「やること、やるべきと思ったことは、本当にやりたいことなの?」「もう一度決めてみよう」

親が子供にいうとしたら「勉強しなさい」ではなく、「貴方は、きっと出来る」「もし受験を辞めたいなら、そのための勉強は必要ないね」「貴方には決める力があるよ」。そんな言葉がいいかもしれません。

今は、先延ばししても、思い悩むことはなくなりました。
意思決定できる、心の想いを確認できます。自分を責めることが減って、楽になっています。感情のシコリが削れて、以前より平静になれる時間が増えています。
過去に感じてない思いが開いてから、自分の理解を深めることができました。違う方向に引っ張られている自分、以前は原因探しで、自分を追い詰めていました。自分の意志と心が反対に動くのは、よくあること。心の動きが意識に上がると、自然と調整する力が働くのを感じます。
少しずつ、今やることを進めています。焦りが減りました。自分の希望と逆な思いを認めて、進めているので、無理がないペースを、感じられています。

 

まとめ

○先延ばしは、自分の中の「やりたくない」隠れた感情から起こる。正反対の思いに気がつくことは大切。先延ばしは、駄目なことではなく、心の働きの一つ。行きたい人生に向けた本気を試されている。

○やること、進むことが喜びに繋がると進みやすくなる。時には見返す気持ちも原動力になる。本当の望みを確認する。

○心の声、感情に敏感になることで、バランスが取れてくる。先延ばしで悩む時は、相談する勇気は大切。

 

 

上に戻る